シノポルトギースと呼ばれる建築様式にピンク、ブルー、イエローなどの色鮮やかな塗装。洗練された近代的なお洒落ではなく、どこか懐かしい下町のような古い匂いに混ざる確かな東南アジア、タイらしさ。色々な要素が絶妙に混ざり合ったプーケットオールドタウンの中心、タランロード(Thalang Road)をヤワラートロード(Yaowarat Road)へ向かって歩いて行き、タイのアーティストALEX FACEによる大きなウォールアートを目印に小さな路地を右に入ると、小さなアイスクリームショップ「Torry’s Ice Cream」があります。
2種類のレトロピンクにダークブラウンウッドの看板、イエローゴールドの中華風装飾に家具や雑貨でデコレートされているお店の入り口は、みんな同じ写真を撮っている!と思いつつもついついカメラを構えてしまう可愛らしさ。観光客はもちろん、地元の人達にも人気のお店ですが、比較的早い時間に行ったためかまだお客さんは少なめでした。
オーダーしてみたいアイスは無限、お腹は1つ。メニューに写真が少ないので、インスタ映えするような何かを文字のみで見つけ出さなければならない!オーダーするアイスに関しては、要事前調査ですね。
オーダーとお支払いはカウンターで済ませます。帰ってきてから気がついたのだけれど、カウンターで注文に対応してくださった優しい男性のスタッフさんこそがきっとオーナーのTorryさん。想像していたよりも若い方だったのでうっかりです。
プーケットで生まれ育ったTorryさんはホームメードのアイスクリームに情熱を注ぎ、60種類ものフレーバーを考案してきました。またオールドタウンで店を構えるにあたって彼が考えたのが、プーケットのローカルスイーツをベースにした商品。世界中の女子に愛されてやまないマカロンを使ったアイスクリームや、一度にいくつかのフレーバーを楽しめるパフェやプレート系、オールドタウンの散策のお供にぴったりなコーン、とウェスタンスタンダードなアイスクリームに加え、ここでしか出会えないタイスタイルのアイスはオーダー時に私たちの頭を悩ませるラインナップです。
今回セレクトしたのはRose Macarons & Strawberry SorbetとSticky rice with Mango Ice-cream。このアイスクリームショップが多くの人に愛されてきたのは、彼のアイスが決してインスタ映えするだけのアイス、ではなく味もしっかり格別だということ。ローズピンクのマカロンが可愛い、甘酸っぱい苺に冷たくさっぱりとした口当たりのソルベは、暑いオールドタウンの道を歩いてきた体にすーっと染み込みます。なんでも極端に甘いか辛いかのタイで、このような上品な甘さのスイーツが提供されることに驚きです。マンゴーアイスクリームともち米の一風変わった組み合わせ。タイを代表するスイーツの1つでもあるカオニャオマムアンのマンゴーアイス版ですね。濃密でなめらかなマンゴーアイス、こんな美味しいマンゴーアイスが食べられるのはやはり南国ならでは。パイナップル、パッションフルーツと並んでプーケットに来たら是非試していただきたいアイスのフレーバーです。
店内は外装のレトロな雰囲気を全体に残しつつも、家具やタイルなどのインテリアはどちらかと言えばウェスタン寄りのセレクト(そしてちょっと中華)。そのギャップがまたここにしかない特別な空間を造りだしています。
今回はカメラに収めたいスポットが多すぎて、少し落ち着かない滞在になってしまいました。何の予定もない休日の朝、読みかけの本片手にふらっと寄って静かな時間を過ごしたい、そんな気持ちになるお店です。丁寧に作られたアイスクリームをお供に、友人と、家族と、大切な人と、または自分1人の贅沢な時間のために、Torry’s Ice Creamへ!